クリスマスのお話「クリスマスリース〜由来・意味・使われる素材〜」クリスマスに贈る花2024年

クリスマスには花をプレゼント

クリスマスのお話
クリスマスリース〜由来・意味・使われる素材〜

現在、2024年12月のクリスマスに向けて特集を企画中です。2024年のクリスマス特集をお楽しみに!

クリスマスツリーと並んでクリスマスの街を賑わせてくれるのがクリスマスリースです。小さなスペースでクリスマス気分を盛り上げてくれ、しかも使う花や実、葉、枝などによって雰囲気の変わるさまざまなリースがあります。例年テイストの違ったクリスマスリースを購入して楽しんでいる、という方もいらっしゃるでしょう。
このクリスマスリースに込められた意味をご存知でしょうか。実はクリスマスリース自体にも、使われる素材にもそれぞれ意味があるのです。
そんなクリスマスリースの意味、由来や飾る場所、楽しむ期間などをご紹介します。

クリスマスリースの由来

クリスマスリース〜由来・意味・使われる素材〜

リースは、実はキリスト教由来のものではありません。リースの起源は古く、古代ローマ時代にも遡ると言われています。リースとは、花や葉などで作られた装飾用の輪のことで、ローマ人によってお祭りやお祝い事で冠として身につけられていました。冠は太陽の象徴であり、ローマ人にとっては特別なもの。古代オリンピックでは勝者に月桂樹のリースが贈られたり、また、葬儀の際に石棺に取り付けられることもあったようです。
その後各地に広まると、常緑樹で作られるリースが出てきました。冬でも青々と茂った緑を思わせるリースは「豊穣」や「繁栄」の象徴的存在に位置づけられ、冬至や新年などお祝い事に使用されるようになります。こういった部分は、日本の正月飾りと似ています。
そして時代を経て、リースはキリスト教にも取り入れられるようになりました、キリスト教では、ヒイラギを使ったリースは「キリストが十字架にかけられた際にかぶっていたいばらの冠」を象徴するとされ、クリスマスリースとして飾るようになったという説があります。

クリスマスリースの意味

クリスマスリースには大きく分けると三つの意味があるとされますが、由来と同様に土着の信仰と入り混じっていることが見て取れます。
意味の一つ目は永遠の愛。リースは輪のかたちであるため終わりも始まりもなく、永遠性のシンボルです。ヨーロッパでは幸運のお守りとしても用いられます。この「永遠」という意味合いと、キリスト教のアガペー(神から人への愛)が融合し、「永遠の神からの愛」を願う、という意味を持つようになりました。
二つ目は豊穣や豊作祈願。クリスマスというよりも、リースが冬に飾られることが大きく関係した意味となります。冬でも緑である常緑樹が農作物の豊穣を、赤いヒイラギの実や姫リンゴが太陽を、松ぼっくりや月桂樹が生命力を表し、新年やこれから訪れる春への祈願が込められました。ヨーロッパのクリスマスは1月6日の公現祭(キリストが異邦人の前に現れた日)まで続くので、クリスマスリースはキリスト降誕祭と新年のお祝い両用で使われるようになったようです。
三つ目は、魔除けです。常緑樹であるヒイラギの葉は生命力の源とされ、悪いものから身を守ってくれると信じられていました。また、常緑樹の葉自体にも殺菌作用・抗菌作用があることからも、ヒイラギを使ったリースは魔除けとして広く定着しました。なお、ヒイラギの魔除け効果は、ヨーロッパのみならず日本や中国でも言い伝えられています。

クリスマスリースを彩る花や葉、オーナメントは?

クリスマスリース

前述のように、リース自体はキリスト教由来ではなく、古代からあるその土地に根付いた信仰に拠るものなので、使う素材や飾りなどに決まりはありません。クリスマスリースとしてよく使われるカラーやその意味、代表的な素材をご紹介します。

クリスマスカラーとは

クリスマスカラーとは、赤・緑・白の三色を指し、クリスマスリースに取り入れられることが一般的です。それぞれの色に意味があります。
赤はキリストに関わる色であり、「太陽の炎」や「寛大な愛」を象徴する、宗教的にも意味深い色。
緑は「生命力」や「永遠の命」を意味します。冬でも青々と茂る常緑樹の力強さに由来します。
白は「純潔」や「潔白」を意味します。また、雪で覆われたヨーロッパの大地を象徴する、とも伝えられてきました。
なお、この三色以外にも、キリストの高貴さやベツレヘムの星(キリストが生まれたとされる土地から見える星)を表現した金銀もあわせてクリスマスカラーと呼ばれることがあります。
もちろんどの色もクリスマスリースに必ず入れるべきというわけではなく、色それぞれが持つ意味合いを感じながら、ぜひお好きな色合いのリースを飾って楽しみましょう。

クリスマスリースに使われる代表的な素材

クリスマスリースに使用される代表的な花や飾りを、クリスマスカラーごとにご紹介いたします。

■赤色
リボン、セイヨウヒイラギの実、ポインセチア、姫リンゴ、赤バラなど。
リボンは「固く結ぶ」形状のため、ヨーロッパで古くから魔除け効果があるとされていて、クリスマスリースに伝統的に使用されます。また、クリスマスの花の代表的存在であるポインセチアは、それ自体が三色のクリスマスカラーを持っています。赤と緑の葉、白い樹液の三色です。

■緑色
モミの木、マツ、セイヨウヒイラギの葉、ハーブ各種など。
ベースカラーとなる緑もさまざまな素材がありますが、クリスマス由来となるとモミの木が一般的です。モミの木の三角形のシルエットは、キリスト教の基本となる三位一体を表していること、また、教会の形と似ていることなどから好まれてきました。また最近では、グリーンのハーブを交えたクリスマスリースは癒し効果もあるとして人気が高まっています。

■白色
リボン、ボール、綿、白バラ、ライスフラワーなど。
白銀の世界を思わせる白い素材を取り入れると、クリスマスらしさのあるリースになります。リースにあしらわれた松ぼっくりなどには、雪のように白いスプレーで色付けをすると冬らしさを表現できます。

■金色銀色
ベル、星、カラースプレーを施したオーナメントなど。
キラキラとした輝きを放つ金銀色もまたクリスマスには欠かせません。リースはもちろん、クリスマスツリーの飾りでも金銀色は好まれる色味です。金や銀のクリスマスオーナメントといえば思い浮かぶのはベルですが、ベルの音には魔除け効果があるとされているので、リースの飾りにぜひ取り入れてみてはいかがでしょう。

クリスマスリースを飾る場所

クリスマスリースを飾る場所に、決まりはありません。もともと持っている「魔除け」の意味合いから、玄関ドアに飾る家庭が多いようです。もちろんそれだけではなく、リビングなどの壁に飾ってクリスマスのインテリアとして楽しむ人も多くいらっしゃいます。また、リースをテーブルの上に置き、キャンドルを灯してロマンチックなクリスマスディナーを楽しむという方法も。
少し変わったところでは、小さめのリースを鉄道会社が列車のヘッドマークに飾ったという事例もありました。
クリスマスリースは持ち運びがしやすくどこにでも飾りやすいので、好みやライフスタイルに合わせて楽しめるのが嬉しいところです。

クリスマスリースを飾る期間

日本では、11月後半頃から徐々にクリスマスムードが高まり、クリスマスツリーやリースをあちらこちらで見かけるようになります。
では、本場ヨーロッパではいつ頃からクリスマス関連の飾りつけが始まるかというと、アドベントからが一般的です。アドベントとは、待降節(たいこうせつ)を指します。キリスト降誕を待ち望む期間で、11月30日に最も近い日曜からクリスマスイブまでの4週間にあたります。
この頃からヨーロッパ各地ではクリスマスマーケットが始まり、クリスマスのオーナメントやプレゼントを買いに出かける家族連れで街はにぎわいます。家々のドアにもクリスマスリースが飾られ始めます。
そして、ほとんどの家庭では、年明け1月6日の公現日(エピファニー)までクリスマスリースが飾られています。
日本では、クリスマスが終わるとすぐにお正月の準備が始まりますが、リースのクリスマス飾りをお正月の飾りに差し替えることで、お年賀飾りとして2度楽しめるリースもあります。リースにはもともと新年に向けた豊作祈願や魔除けといった意味もあるので、冬の間はリースを長く楽しむこんな方法も取り入れてみてはいかがでしょう。

まとめ

クリスマスリースの由来や意味、使われる素材。そして飾りつけの場所や期間をご紹介しました。
クリスマスリースとは、もともとのヨーロッパ土着の信仰がキリスト教と融合したものであること。意味は「永遠の愛」「豊作祈願」「魔除け」といったものがあることなどをおわかりいただけたでしょうか。
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