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クリスマスは、世界中の人々が楽しみに待つ年に一度の大きなイベント。世界各国には、それぞれ独自のクリスマスの習慣や過ごし方がたくさんあり、キリスト教国でも、そうでない国でも、さまざまな形で人々はクリスマスを楽しんでいます。クリスマスの本場ヨーロッパ以外の国の人々は、どんな風にクリスマスを過ごすのでしょうか?アメリカ・アジア・オセアニアといった国々のクリスマス風景をご紹介いたします。
ヨーロッパ同様、アメリカもまたアドベントの頃からクリスマス期間が始まります。この時期にクリスマスツリーの飾りつけやクリスマスプレゼント、クリスマスカードなどを準備するため、人々は買い物に出かけます。アメリカ人はとりわけクリスマスプレゼントの習慣を大切にする人が多く、サンタクロースからもらう以外にも、家族や友人、恋人同士などでさまざまなプレゼントを贈り合います。
そしてアメリカでは、クリスマスプレゼントにはレシートを付ける「ギフトレシート」という習慣があります。これは、もしプレゼントが気に入らなかったりサイズが合わなかったりした場合、そのレシートを持っていけば、購入店によっては返品・交換を受け付けてくれるというものです。最近では、ギフトレシートのかわりに、プレゼントされる側が品物を選べるようギフトカードをプレゼントすることも一般的になってきています。
クリスマスのごちそうとしては、よく名前が出される七面鳥はアメリカが由来と言われています。しかしながらアメリカ人は、必ずしもクリスマスに七面鳥を食べません。と言うのも、もともと七面鳥はキリスト教と関係はなく、開拓時代、寒さと飢えで困窮していたヨーロッパからの移民が、原住民であるインディアンに七面鳥を施してもらったことから特別なごちそうとなったといういわれがあるからです。
アメリカでは、クリスマスよりも11月にあるサンクスギビングデー(感謝祭)に七面鳥を食べ、クリスマスはハムやローストビーフをメインに家庭料理がふるまわれることが多いようです。
なお、アメリカは多民族国家であるため、現在ではクリスマス時期の挨拶はキリスト教由来の「Merry Christmas(メリークリスマス)」の代わりに「Happy Holidays(ハッピーホリデイズ)」を使用することが主流になっています。
国民の8割以上がカトリック信者と言われるメキシコのクリスマスは、世界有数の盛り上がりを見せます。
12月初旬からクリスマスツリーやキリスト降誕に関する装飾が街中で見られるようになり、12月16日〜24日の9日間は「ポサダ」と呼ばれるクリスマスの伝統行事が行われます。ポサダとは、キリストの両親にあたるマリアとヨセフがキリストを生むために放浪の旅をした9日間にちなむ行事で、クリスマス前ですが早くもパーティが行われ、人々が集まってあたたかいフルーツポンチやメキシコ伝統料理を楽しみます。この行事のために貯蓄した財産を使うという人もいるほどです。
ポサダは、メキシコの子どもたちにとっても楽しいイベント期間。歌を歌いながら家々を回ったり、伝統の「ピニャータ」と呼ばれるくす玉を割って、中に入っているお菓子やおもちゃを取り合ったりと、楽しく過ごします。ピニャータの起源は悪魔祓いや、キリスト教における神の導きを示唆するものでしたが、今は楽しいイベントのひとつとしてクリスマスにも欠かせないものになっています。
そして12月24日、メキシコの人々はうって変わって厳かな夜を過ごします。クリスマス当日はミサへ赴いたり、家族で静かに過ごしたりすることが一般的です。
年が明け、1月6日の公現日には、大きな輪の形をしたパンを食べる風習があります。フルーツやドライフルーツの砂糖漬けをたっぷり煮詰めて固めたもので彩られ、非常に甘い口当たりです。切り分けていただくのですが、パンの中には幼子キリストを模った人形が入っており、それに当たった人は一年間幸福が訪れるといわれています。
メキシコのクリスマスでは、ノチェ・ブエナ(スペイン語で「素晴らしい夜」)が装飾のメインとなりますが、これはポインセチアのことです。ポインセチアはメキシコ原産で、17世紀頃、現地に布教活動に来ていたフランシスコ修道会の僧侶たちがクリスマスフラワーと位置づけました。葉の形がベツレヘムの星(キリストが生まれた土地から見える星)の形状となっていること、葉の緑と赤、樹液が白ということから、クリスマスカラーを揃えていることが、ポインセチアがクリスマスフラワーとなった大きな要因です。
世界遺産マチュピチュで有名なペルーもまた、スペイン統治下にあった影響でカトリック信者が多い国です。
ペルーのクリスマスイブは非常ににぎやかで派手です。リマやクスコなどの大都市では、クリスマスを迎えた瞬間にそこかしこで大きな花火が打ち上がります。花火が上がると人々はいっせいに盛り上がり、音楽に合わせてダンスを踊り、街はにぎやかな雰囲気に包まれます。この瞬間にクリスマスプレゼントの交換をする人々も多くいます。そのあとは朝まで盛り上がる人、ミサに赴く人などさまざまです。
ペルーのクリスマスのごちそうには、七面鳥が欠かせません。また、「クイ」と呼ばれるモルモットの丸焼きという伝統料理も存在します。クイはペルーの人々にとっては高級食材。チキンに近い味わいで、とても美味だそうです。
クリスマスの定番お菓子としては、パネトンが挙げられます。パネトンは前述したイタリアのパネトーネに由来し、ポルトガルやブラジルなどでもクリスマスシーズンの定番お菓子です。ペルー式のパネトンは、真ん中に穴が開いたドーナツ状です。
「真夏のクリスマス」として有名なオーストラリア。前述のペルーもそうですが、南半球では12月は夏真っ盛り。私たちが想像するクリスマスとはかなり違った印象となります。
まず、サンタクロースのイメージがかなり常夏に近くなります。半袖・半ズボン、そして海からサーフボードに乗ってやってくるというのです。ヨーロッパ圏のサンタクロースとはずいぶんかけ離れたイメージです。ちなみにトナカイではなく、カンガルーを引き連れてやってくるとも言われています。
クリスマスも、屋内でテーブルを囲むよりは、庭や海辺でバーベキューを豪快に楽しみます。クリスマスらしい七面鳥やローストビーフだけでなく、シーフードなども焼き、飲んで食べて大いに楽しむスタイルが主流です。
なお、オーストラリアはイギリスの影響を色濃く受け継いでいるため、12月26日にはイギリス同様ボクシングデーが設定されています。各店では大々的にセールを開催し、大きな経済効果を生んでいます。
フィリピンはアジア圏では珍しく、国民の大多数がキリスト教徒です。そのためクリスマスは一年の中でも重要なイベントのひとつとして位置づけられ、多くの人々が待ち望んでいます。
フィリピンのクリスマスの最大の特徴は、クリスマス期間の長さ。フィリピンの街は、9月から翌年2月頃までクリスマスムードに包まれています。
そして、フィリピン特有のクリスマス装飾と言えばパロール。これはベツレヘムの星を模した提灯で、かつて統治していたスペインから伝わったものとされています。
また、メキシコ同様、12月16日から24日までの9日間が重要視されます。フィリピンではシンバン・ガビと呼ばれ、メキシコのようなパーティではなく早朝ミサが行われるのです。このミサ全てに出席すると、願い事が叶うとされています。
そして、いよいよ迎えるクリスマス当日。この日は親戚が一堂に会することがほとんどです。用意したクリスマスプレゼントを交換した後は、フィリピン伝統料理のごちそうを食べて過ごします。
仏教国であるタイですが、お祭り好きの多い国民性。クリスマスはキリストの降誕祭というよりも、楽しいイベントとして楽しまれています。クリスマスは家族揃って過ごすというよりは恋人や友達と楽しむことが一般的。都市圏ではクリスマスイルミネーションが街を彩り、巨大なクリスマスツリーや華やかなリースを飾るショップがそこかしこで見られます。最近では、各家庭でもイルミネーションやツリーを楽しむことが広まってきました。
なお、タイでは新年を迎えてもクリスマスの飾りつけが外されないことがほとんどですが、これは公現日や聖燭祭などとは関係ありません。タイでは、中国と同じく2月の旧正月を新年として盛大に祝います。そのため、新年の飾りつけをするまでは、なんとなくクリスマス飾りのままにしておく…というところが実情のようです。「マイペンライ(タイの人がよく使う言い回しで、問題ない、大丈夫の意味)」の国ならではのクリスマスの習慣のようです。
中華系人口が多いながら、長らくイギリス統治下にあった香港は、多くの部分でヨーロッパ式クリスマスを受け継いでいます。例えばクリスマスは祝日であったり、ツリーやリースを各家庭で飾り付けたりするところはヨーロッパ式。しかしながら街を彩る絢爛なクリスマスイルミネーションは香港ならではといえます。
香港の各都市ではライトアップやイルミネーションが施され、都心部は夜でも昼間のような輝きを放ちます。ショッピングモールや観光スポットでもクリスマスイルミネーションを楽しむことができ、その見事さは世界中から定評があります。
また、クリスマスは祝日とはいえ、レストランやショップは通常営業しているところがほとんど。恋人や友人、家族でこういったレストランでクリスマスディナーを楽しむ方が多いようです。
なお、香港もイギリス同様ボクシングデーが設定されていますが、11月の終わり頃から既にウィンターセールを始めており、12月は買い物客が引きも切らない状況となります。
アメリカや、カトリックが多い中南米、アジアの国々、真夏のクリスマスを迎えるオセアニア地域とさまざまなクリスマスをご紹介しました。どの国にも共通していることは、信仰や人々のつながりを大切にしながらも、各自のスタイルでクリスマスを楽しんでいる、ということでしょうか。
本場ヨーロッパ以外の世界の国々のクリスマスにも目を向けてみて、各国の楽しみ方を取り入れてみてもいいかもしれません。
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