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─ 第7回この花コンテストスペシャル企画 ─
毎日の仕事に欠かせない基本的な道具を教えてください。

花切りバサミ(写真1)、枝切りバサミ(写真2)、オアシスナイフ、ワイヤー用のハサミ、ニッパー、ペンチ、フローリストナイフ(写真3)など、カットする道具だけでもいろいろな種類があります。フローリストナイフはお花屋さんのためのナイフで、普通のナイフと違って右利き用・左利き用があります。これはふだんの仕事に最も欠かせないもの。ハサミよりも早く細かい作業が出来るので、慣れてしまえばアレンジメントもほとんどフローリストナイフひとつで作ることができます。
ハサミやナイフは、国内外のいろいろなメーカーのものがあり、好みや用途によって使い分けていますが、フローリストナイフには熟練の職人が手掛けた高価なものもあります。そうしたナイフを手にするには、使う側のプロ意識や技術があってこそだと思うので、道具へのこだわりはステータスといえるかもしれません。
結婚式で花嫁さんに欠かせないブーケや胸元につけるコサージュを制作するのに欠かせないのがワイヤー(写真4)です。出来上がりを見ると分かりませんが、花を組んでいく前に実はワイヤーを使って花に細工をしているんです。これはイメージ通りのデザインに仕上げるためのパーツ作りのようなもの。ワイヤーを使って細かい下準備をしています。

普通の人が見慣れない変わった道具はありますか?

今では普通に使っていますが、初めて見たとき「何だろう?」とびっくりしたのがバラの棘取り(トゲ取り)。これはバラの茎を傷つけずに簡単に棘が取れる道具です。毎年新しいものが出てきますが、最近はシリコン製のものがよく使われています。
グルーガン(写真5)も見慣れないものかもしれません。これは木や布を使ったクラフトワークの接着剤としても使われていますが、私たちはプリザーブドフラワーのアレンジメントに使っています。
その他、見た目のインパクトはありませんが、お花屋さん専用のアイテムとしてフレッシュミストやフラワーベルと呼ばれているスプレーがあります。これは切花の水分の蒸散を防いで花をフレッシュに保つもので、ブーケやコサージュによく使います。

自分なりの道具はありますか?

あります! 葉に動きをつけたいときは、これまでボールペンや指で巻いてクセ付けしていたんですが、もっと簡単にできないかなと思って考えついたのが、この “ひねりっこちゃん”※1。これだと作業も早く仕上がりもきれいなので、卓上花を大量に作るときなどとても役立っています。おまけに茎も傷めないので、今では手離せず、お店でも「おーい、ひねりっこちゃんどこいったの?」という会話が飛び交っているほど。実は商品化も目論んでいます(笑)。
「母の日」などの忙しい時期、大量のオアシスを使うときはプラスチックの衣装ケースが重宝しています。水をはった衣装ケースにオアシスをお豆腐みたいに浮かべておくと、そのつどオアシスを水につけなくて済むので作業に集中できるんです。専門的な道具以外にもこうしたアイディア次第で使えるものは沢山あります。

※1:ひねりっこちゃん
「ハートフラワー チャーリー」の篠田さんによるオリジナルのひねり棒。簡単に葉にクセ付けできて仕上がりもきれい。座談会の席でも好評でした。

道具に対する思いを聞かせてください。

ハサミやナイフを使いこなすことで細かい作業が可能になり、ワイヤリングやグルーガンでかたちを固定すればデザインの幅も広がります。そんなふうに道具は仕上がりの美しさを追求させてくれますが、もうひとつ大事なのは、花に優しい道具であること。例えば、切花の水揚げには必ず切れ味のいいナイフを使います。何故ならナイフは斜めに切れて断面積が広い上に花の茎を潰さないでカットできるので、花が水を良く吸収し長生きできるんです。花の下準備を任されることが多い新人のスタッフには、まず、そうした花の性質を知った上で、何故その道具を使うかという理屈を理解してほしいですね。そうすれば道具の使い方にも無駄がなく、花の仕上がりも格段に違ってきます。私たちも効率が良く仕事の精度が上がるもの、そして花に優しい道具があれば、積極的に取り入れていきたいと思います。

お話をうかがったフローリストの方々
「アイディア次第で使えるものは沢山あります」
「道具へのこだわりはステータスかもしれません」
フラワーギフト
「アイディア次第で使えるものは沢山あります」「肝心なのは、何故その道具を使うかということ」
フラワーギフトの贈り方メモ

アレンジメントのための基本ツールから下準備に欠かせない細かい道具や資材まで、話を聞けば聞くほど出てくる様々なモノ。その数の多さはそのままお花屋さんの仕事の量や幅広さを物語っていました。私たちが素敵なお花に触れられるのは、一日中動き、頭と手を使い一本の花にも手間を惜しまないプロフェッショナルな仕事があってこそ。これからは店頭に並ぶ花も違って見えそうです。



お話しをうかがった方々
亀山 安奈さん

in the Bloom
(東京都練馬区)
岩渕 麻菜緒 さん

妹さんが経営されているお花屋さんで働き始めて3年。「女は愛嬌」というだけあってお花のことも気軽に相談できそうなおおらかな雰囲気。以前の職業は保育士さん。

安谷屋 真里さん

花くめ
(千葉県市川市)
小泉 美穂 さん

お花屋さん歴11年。きっかけはたまたま通りかかったお花屋さんのアルバイト募集。勤務先はずっと病院の中にある店舗で、花の持つ力の大きさを実感する毎日。

雨森 あゆみさん

花農場・花家族 JEE-SA
ジーサ(石川県金沢市)
中嶋 友紀 さん

お花屋さん歴18年。きっかけは手に職をつけたかったのとフラワーデザイナーのイメージに惹かれて。お客さんの喜ぶ顔と、新種のかわいい花に出会った時が嬉しい瞬間。

泉 美香さん

ハートフラワー チャーリー
(北海道標津郡)
篠田 卓 さん

誕生日や記念日に一番多く携われる仕事だからと、お花屋さんになって15年。場を明るく盛り上げてくれるムードメーカーで、花を通じて人を喜ばせることへの情熱も人一倍。

中野 ゆみ子さん

フィオリスタ プント
(埼玉県さいたま市)
日下 由希 さん

全くの未経験からスタートして、お店での指導や市場での研究会に参加しながら経験を積んで9年。季節感を演出することにこだわり、お客様に喜んでもらえる瞬間が一番の励み。

フラワーギフトはイーフローラ加盟店におまかせください。

イーフローラは全国のプロのお花屋さんが加盟する「お花屋さんのネットワーク」です。加盟生花店は、イーフローラのショッピングサイトで自店のホームページを持ち、お花を販売していますが、それぞれの地域で実際の店舗を持ち、対面販売をしているお花屋さんですので、ご安心してお買い物をしていただけます。
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