原産は地中海沿岸。古代ギリシャ・ローマ人は花冠や花輪に使っていたほか、入浴剤として愛用していました。現在、産地として名高いのは、初夏になると紫に染まる街、南仏プロヴァンス。地元の文豪ジャン・ジオノは「ラベンダーはプロヴァンスの魂である」という言葉を残しています。

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南フランスに位置するプロヴァンスは、一年を通して温暖で明るい太陽の光に満ちあふれる地。昔からこのプロヴァンスに魅せられ居を定めた芸術家や作家は多く、そのため近代美術の名作がいくつも残されています。現在でも、当時とあまり変わらぬ美しい風景を目にすることができます。
そのプロヴァンスで毎年6月から7月にかけて多くの観光客が訪れる場所が、センナク修道院のラベンダー畑です。清貧をモットーとするシトー派の修道院では、中世の時代から修道士たちが農作業に励み、ラベンダーの精油や石鹸などを作って売り、その少ない収入で共同生活を送っていました。現在も当時と同じような厳しい生活をしており、その建物内を見学するこができます。
ラベンダーの香りには気持ちをリラックスさせる効果があります。祈りに身を捧げる厳しい修行に、ラベンダーが良い効果をもたらしているのかもしれません。