観葉植物のお話

観葉植物を贈る

観葉植物の贈り方やお手入れ方法は?

お部屋を彩り、目にやさしい癒しを届けてくれる観葉植物。存在感のある観葉植物は、ご自宅用としてはもちろん、店舗やオフィスの開店・開業祝い、引越し祝いのギフトなどとしてもよく贈られます。
観葉植物には何千もの品種があり、葉の形や大きさ、枝ぶりなど、ひとつとして同じもののないところが魅力でもあります。それぞれの品種に合った育て方やお手入れをすれば、ゆるやかに育ち長く一緒に暮らせるパートナーとなります。
たくさんの観葉植物の中から、ご自宅用・ギフト用など、目的別におすすめの観葉植物とそのお手入れ方法をご紹介します。

おすすめの観葉植物とお手入れ方法

ポトス

ポトス

科・属名:サトイモ科・ハブカズラ属
学名:エピプレムヌム・アウレウム
原産地:ソロモン諸島,東南アジアの亜熱帯と熱帯雨林
花言葉:「永遠の富」「華やかな明るさ」

観葉植物としてポピュラーなポトス。サトイモ科によく見られる、つる性の茎が特徴です。明るい葉色の「ライムポトス」、黄色と緑の葉が人気の「ゴールデンポトス」、白いまだら模様の葉を持つ「マーブルクイーン」など、たくさんの品種があるので、選ぶ楽しみがあります。

ポトスの育て方のポイント

ポトスは屋内でも屋外でも育てることができますが、寒さに若干弱く、外気が10度を下回ると元気がなくなってしまいます。そのため、室内で育てることが望ましいとされます。耐陰性が高いため、蛍光灯の光の下でも育ちますが、葉の色や柄を生き生きと美しく保つためにも、時々日光に当ててあげましょう。
ポトスは高温多湿を好みます。普段の水やりのほか、時々は葉に霧吹きで水を吹き付けてあげると元気に育ちます。

ギフトとしての贈り方や、自宅での楽しみ方は?

つる性のポトスは、自由な姿に仕立てることができるところもポイントです。お店の開業祝いのギフトなどにお贈りする場合は、大きめの鉢に支柱を立ててつるを這わせるタワー仕立てのポトスがおすすめ。ある程度の高さのある商品を選べば、青々とした葉が茂る存在感あるギフトとして喜ばれます。
ご家庭で育てるポトスの場合は、小さな鉢を使いハイドロカルチャー(土を使わない栽培方法)で育てたり、天井からハンギングしてつるを垂らしたりといった楽しみ方はいかがでしょう。
生育旺盛なポトスは、大切に育てればどんどん大きくなり葉が茂ります。伸びすぎた茎は切り落として時々形を整えてあげましょう。切った茎は水につけておくと簡単に根が出るので、ガラスびんに入れて鑑賞しながら育て、根が十分に伸びたら小さな鉢に植えて友人へのちょっとしたプレゼントにしてみてはいかがでしょう。

ウンベラータ

ウンベラータ

科・属:クワ科・イチジク属
学名:フィカス・ウンベラータ
原産地:熱帯アフリカ
花言葉:「すこやか」「永久の幸せ」「夫婦愛」

大きなハート型の葉と、個性的な樹形が魅力のウンベラータ。存在感のあるウンベラータは、お店のディスプレイなどでもよく見かける人気の観葉植物です。「ウンベラータ」というちょっと変わった名前は、大きな葉が傘のように見えるためか、ラテン語の「日傘(umbella)」が語源です。丈夫な観葉植物なので、グリーン初心者の方でも楽しんで育てることができます。

ウンベラータの育て方のポイント

ウンベラータは日光を好むので、日当たりの良い室内ならすくすくと育ちます。もし日光の当たらない場所に置く場合は、一週間に一度ほど日に当ててあげましょう。
水やりの間隔は、春と秋は土が乾いてきたら、夏は土が乾く前にたっぷりと。水が足りない時、ウンベラータの葉は下向きになります。冬はお休みの時期。寒さには弱いので、冬になると生長がゆるやかになります。冬の間の水のやりすぎは根腐れの原因となりますので、春〜秋よりも間隔をあけて水やりをすると良いでしょう。水やりのほか、霧吹きを使って時々葉に水をかけてあげると、みずみずしい葉を保ちます。
ウンベラータは生長していく中で幹がくねくねと曲がったり、伸びすぎて天井付近まで育ってしまったりすることもあります。そのため、4〜5月の暖かい時季に剪定を行いましょう。
弱った葉を取り除き、伸びすぎた幹や枝をカットします。ウンベラータは切ってもまたすぐ新しい芽が出てくるので、思いきってカットしても大丈夫です。
ウンベラータやゴムノキなどに代表されるイチジク属は剪定すると白い樹液が出てきます。触ると手が荒れたり、洋服について落ちなくなったりするのでご注意ください。

ギフトとして贈る際の選び方は?

ウンベラータの鉢植えは、大きなものから小さなもの、背の低いものから高いものまでさまざまなサイズがありますが、オフィスやお店などの開店・開業祝いとしてお贈りする場合はやはり背が高く立派なウンベラータが人気です。
また、新築祝いや引っ越し祝いにも人気です。友人・知人にプレゼントする場合は、棚の上や出窓などにも飾れる小ぶりなサイズを選んでみてはいかがでしょう。少しずつ成長していくので、パートナーとして長く一緒に暮らしてもらえると嬉しいですね。
気に入ったサイズや形のものをお贈りできるよう、じっくり探してみましょう。

サンスベリア

サンスベリア

科・属:キジカクシ科・チトセラン(サンスベリア)属
学名:サンスベリア
原産地:アフリカ・アジアなどの熱帯〜亜熱帯の乾燥地
花言葉:「永久」「不滅」

優れた空気清浄効果を持つと言われるサンスベリア。その効果は、なんとNASA(米国航空宇宙局)のお墨付きです。サンスベリアは、NASAによる長年の研究を経て選ばれた50種類のエコ・プラント(優れた空気清浄効果を持つ植物)のひとつであり、人体への有害物質を除去する力が優れている観葉植物です。
この効能に加えて、別名トラノオ(虎の尾)と呼ばれるように、縞の入った細長い葉が上に長く伸びる独特な形も魅力。葉が広がらないので鉢を置くスペースもあまり取らず、狭い空間でも飾って楽しむことができます。また、サンスベリアは乾燥に強く、頻繁な水やりがいらないため、仕事や家事に毎日忙しい方でも比較的育てやすい観葉植物です。

サンスベリアの育て方のポイント

サンスベリアの主な原産地はアフリカの乾燥地帯。日光を好むため、できるだけ明るい場所に置きましょう。長期間にわたって日光を浴びないと弱々しく細長い葉に生長してしまいます。日の当たらない場所に置いている場合は、一週間に一度ほどレースのカーテン越しに日に当ててあげましょう。
サンスベリアは乾燥に強く丈夫な観葉植物。自身の葉の中に水をためることができるので、水をやりすぎると根腐れを起こし、枯れてしまう場合があります。水やりのタイミングは、土が十分に乾燥したことを確認してからさらに数日後。冬は休眠状態に入るので水やりは不要です。冬の間は葉の表面がしわしわになることがありますが、春になって水やりを再開すればみずみずしい葉を復活させます。
サンスベリアは縦長に生長しますが、葉の剪定などは必要ありません。ただし、土の下でも茎や根をぐんぐん伸ばし大きく成長するので、定期的に株分けしたり、植え替えたりしましょう。

ギフトとしての贈り方や、自宅での楽しみ方は?

優れた空気清浄効果が、科学的にも証明されているサンスベリア。加えて、風水では邪気を払い、良い気を運んでくるともいわれています。花言葉は「永久」「不滅」。縁起の良いサンスベリアは、開店・開業祝いのギフトとして人気です。
ご自宅でサンスベリアを楽しむ場合、おすすめの置き場所は玄関です。空気をきれいにしてくれる効果が期待できるので、玄関のたたきや靴箱の上などに小さな鉢植えを飾ってみてはいかがでしょう。玄関に日が入らない場合は、時々鉢を移動して日光浴させてあげることもお忘れなく。

パキラ

パキラ

科・属:アオイ科・パキラ属
学名:パキラ
原産地:中南米
花言葉:「快活」「勝利」

パキラの原産地は中南米。ハワイや台湾では食用ナッツの採取やパルプ材として利用される実用的な常緑高木でしたが、日本には観葉植物として輸入され、人気が広がりました。ちなみに、日本の気候風土では観葉植物のパキラからナッツを採取することはなかなか難しいようです。
和名「発財樹」という通称でも知られるパキラは、商売繁盛・金運アップの力を持つ植物といわれています。5枚の葉が花弁のように外側に向けて開いており、風水的には「陽」の性質を持つとされているためです。丈夫で剪定にも強く、虫が付きにくいので、グリーン初心者の方にもぜひ育ててほしい観葉植物。ショップやオフィスの開店・開業祝いには大きなサイズ、友人・知人への誕生日などのお祝いギフトには小さなサイズの鉢植えがおすすめです。

パキラの育て方のポイント

パキラは日陰に強い観葉植物ですが、やはり日光は大好き。パキラの生育期である5〜7月は、カーテン越しに日光がよく当たる場所に置きましょう。寒さには弱いので、冬場は屋内で育てます。
乾燥に強いため、頻繁な水やりは必要ありませんが、季節によって水やりの方法や量を変えていきます。春から秋にかけては、土が乾いてきた頃にたっぷりの水をあげます。この時、葉の裏にも水をかけると良いでしょう。冬場は乾燥を保ち、土が乾いてから数日待って水やりを行うようにします。
幹が元気なら、どこを切っても新芽が出てくる頼もしいパキラ。増えすぎた葉はカットして、お好みの樹形を保つようにしましょう。縦に伸ばして育てたい場合は、適切な選定や定期的な向き替えとともに、幹を支柱やポールで支えてあげるとまっすぐに伸ばすことができます。

自宅での楽しみ方は?

さまざまなお祝いプレゼントに喜ばれるパキラですが、ご自宅で楽しむ場合は、おしゃれな三つ編みのパキラに挑戦してみてはいかがでしょう。
15〜20センチほどの若いパキラを3本用意し、ひとつの鉢に寄せ合って植えます。3本の幹を、三つ編みの要領で下から上にそっとやさしく編みましょう。きつく編んでしまうと成長したときに幹が折れてしまうので、ゆるめに編むのがポイント。編み終わりの部分を麻ひもで縛り、支柱を立てて三つ編みの幹を軽く固定します。幹が成長してきたら、数か月ごとに少しずつ編んでいきます。幹は、成長するにしたがって固く茶色い幹になります。手間をかけて作りこんだパキラの鉢植えには、パートナーとしていっそう愛着がわきそうです。

アジアンタム

アジアンタム

科・属:イノモトソウ科・ホウライシダ属
学名:アジアンタム
原産地:中南米、東南アジアなど
花言葉:「繊細」「天真爛漫」「無垢」

美しいグリーンの葉がふわふわと生い茂るアジアンタム。名前の由来は、葉が水をはじいて濡れないため、ギリシャ語で「アディアントス(濡れない)」という言葉から来ていると言われています。原産地は世界の温帯から熱帯地域で、約200種もの品種が自生しています。手のひらに乗るほどのミニ観葉から大きなものまで、さまざまな大きさの鉢植えがあるので、ご用途によって選ぶことができ、プレゼントしやすい観葉植物です。

アジアンタムの育て方のポイント

シダの仲間であるアジアンタムは、乾燥がとても苦手。水を切らしたり、暖房の温風などに長時間あたると、みるみるうちに葉が枯れてちりちりとしぼんでしまいます。直射日光や風の当たらない室内で育てましょう。水やりは、春〜秋は土の表面が乾く前に行い、冬は土の表面が乾いたらすぐに行います。水やり以外にも、霧吹きで葉にこまめに湿度を与えるようにします。長期の旅行などに出かける場合は、湯船に水を張った浴室などの湿度の高い場所に鉢を移動する、水やりをしっかりとしたあとにビニールをかぶせるなどして乾燥を防ぎましょう。葉が枯れてしまっても、根が生きていれば春には芽が出てくるので、どうか諦めないでくださいね。

自宅での楽しみ方は?

アジアンタムの最大の魅力であるふわふわとした葉を楽しむには、鉢の床置きのほか、ハンギングスタイルもおすすめです。土を使わないハイドロカルチャーでもよく育ちます。
育て方がちょっぴり難しいと思われがちなアジアンタムですが、環境が合えば美しい葉を茂らせてくれます。ぜひ挑戦してみてください。

自宅用・ギフト用で選ぶ観葉植物は変わる?

自宅用の観葉植物を選ぶ際に大切なことは「飾りたい場所と、飾りたい観葉植物の性質が合っているか」ということです。観葉植物は、家の中や庭で長い期間を人とともに過ごすいわばパートナー。植物が健やかに成長できるよう、その特性に合わせた居場所を用意してあげたいものです。たとえば日光が大好きなウンベラータはカーテン越しの窓辺に、狭い場所にはタワー仕立てのポトスや縦長のサンスベリア、日の当たらない場所に置くなら耐陰性の高いアジアンタムやパキラなどが良いでしょう。
ギフトとしてお贈りする場合は、お店やオフィスであればお贈り先様にあらかじめ観葉植物をお贈りしたいことをお伝えし、置く場所があるか確認できればベストです。虫が付きにくく丈夫なパキラや、空気清浄効果があり場所を取らないサンスベリアなどが喜ばれそう。友人・知人へのプレゼントなら、大きな鉢植えよりも手軽に楽しめる小さな鉢植えやミニ観葉などがおすすめです。
自然の中にいるような癒しの空間を演出してくれる観葉植物。ぜひお気に入りの一鉢を見つけ、自宅に飾ったり、プレゼントとしてお贈りしたりして、末永くお付き合いしましょう。