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日本の情緒ともいえる梅雨を美しく演出するアジサイ。母の日のプレゼントとしても人気があります。まるで貴婦人のような品のある花姿は、見ているこちらまで華やかな気分にさせてくれます。
そんなアジサイの一番の魅力ともいえるのが、色彩の豊富さ。白、青、紫、ピンクなど、なんとも美しい色取りで私たちを魅了してくれます。
アジサイを語るうえで欠かせないのが、その“色変わり”の不思議さ。「同じ品種なのに、生えている場所によって色が違う」「鉢植えのアジサイをお庭に植え替えたら色が変わった」など、アジサイの色の変化を不思議に感じたことがある方も多いのではないでしょうか。
実は土に秘密があるのです。アジサイは、植える土の酸性度(pH)によって色が変わります。土が酸性だと、土の中のアルミニウムが多く溶け出すことで青色の花に。一方アルカリ性だと、アルミニウムが溶け出さないため赤味のある花になるのです。
そしてアジサイの色変わりにはもう1つ理由があります。シックな色合いから、秋色アジサイとして人気を集める「フェアリーアイ」や「西安」は、長い開花期間中、鮮やかな色合いからだんだんとくすみがかったグリーンや赤へと色を変化させます。また「アナベル」も白からグリーンへ、「紅」も白から深紅色へと変わっていきます。この色の変化は、アジサイの中の色素が徐々に分解されることで起こる現象です。
色が現れるのは厳密に言うと花ではなく、「がく」という部分。花は、その中にある小さい点のような部分を指すそうです。
アジサイの色には、不思議がいっぱいです。
アジサイの色変わりについては昔からよく知られており、その様子から「七変化」という名でも呼ばれてきました。七変化という言葉を辞書で引くと“アジサイの別名”という解説が入っているほど。この移ろいゆく色合いを楽しめることこそが、アジサイの魅力。趣もあり、ロマンチックでもあり、素敵な花です。
そんなアジサイの花言葉はいくつかありますが、「辛抱強い愛情」「元気な女性」といった、母の日にぴったりの花言葉もあります。色はもちろん品種もさまざまあり、それぞれに違った花姿が楽しめるので、お母さんのイメージや好みに合ったアジサイを選んで贈ってみてはいかがでしょう。